美少女ロボは今

人間に近い外観のほか、人間に極めて近い歩行や動作で話題を呼んだ美少女ロボット「未夢(ミーム)」。デビューから約6年が経ち、かつてはモデルやダンサーとして出演依頼が殺到するなど人気を博していた。しかし東日本大震災以降、日本のロボット開発は災害用にシフトし、エンターテイメント性のある人間型ロボットは「役立たず」などと批判され、姿を見ることが極めて少なくなった。美夢は現在どうしているのだろうか。

「未夢」は平成21年3月に産業技術総合研究所で誕生した。正式名称は「サイバネティックヒューマンHRP-4C」というそうだ。人間型ロボットで、関節位置や寸法は19~29歳の日本人女性の平均値を参考にして作られているそうだ。二足歩行はもちろんのこと、人間の音声を認識し、応答動作もできる。また人の歌唱をお手本に自然な歌声や顔動作を自動生成することができ、高い歌唱力を誇っている。これまで司会やファッションモデル、歌手、女優、ダンサーなど華麗な経歴を持っているそうだ。しかし23年3月の東日本大震災を機に、ロボットに求められるものが変わってきた。未夢はエンターテイメント分野に特化したロボットのため、平らなステージ上では能力を発揮するが、がれきが散乱するデコボコの道では転倒してしまう。一人で立ち上がることもできないなど、災害現場で活動するにはあまりにも非力だった。未夢は現在人間に近い特性を生かし、介護用スマートスーツの実証実験などに使われているそうだ。人間が中腰で同じ動作を何度も繰り返すのは重労働だが、未夢にとってはたやすいことだ。検証、比較するのに人間より適しているという。一時は「役立たず」と批判された未夢だが、社会に役立つロボットとして今後も開発が期待されているようだ。